ニラの基礎知識
ニラはネギ属の多年草となる緑黄色野菜です。言われるまでもなく、普段の食卓でも非常に多く利用されている野菜のひとつです。
ニラは夏に葉の間から30~40cm程度の花茎を伸ばし、8~10月頃が花期です。半球形の散形花序の小さな白い花が20~40コもつきます。きっとあまり見たことがないと思います。
このニラの原種が、中国北部~モンゴル・シベリア地域に自生しているそうです。これについては既に3,000年以上も前から栽培化されたようで、株分けでも種からでも両方されていたと思われます。
私達が普通に利用しているのは緑色の「葉ニラ」ですが、他にも日光に当てず軟白栽培された「黄ニラ」、小さなつぼみがついた「花ニラ」もあります。日本には中国から伝来したようで、既に「古事記」でも神武天皇の段で「賀美良・かみら」という名前でニラが登場しています。
ニラは長らく薬用として扱われていたようで、食材の野菜として栽培されるようになったのは随分後で、それは明治時代になってからなのです。つまり、古くて新しい野菜ということになるのでしょうか。
もともと、北海道、東北など寒い地方で、ニラは体を温め、精力がつくということで重宝していました。
特性も丈夫で、刈り取った後の株からまた新葉が伸びてくるので、年に数回の収穫も可能です。ところが戦前では家庭菜園で栽培されることが多く、店頭に並ぶようになったのもかなり最近と言うことになります。